パッケージのインストールや削除ができるのは素晴らしいことですが、それを行うための基本ソフトウェア (御存知のとおり
dpkg
です。) はまさにそれだけを行い、それ以上のことは何もしません。1 つや 2
つのパッケージを手動でダウンロードする場合ならそれでもかまいませんが、大量のパッケージを管理しようとすると急速に面倒になるでしょう。その上、インストールしたい光り輝く新しいパッケージに、まだインストールされていないソフトウェアが必須とされる場合、その新しく必須とされたソフトウェアを手動でダウンロードしなければなりません。また後に、そのパッケージがもはや光り輝かなくなったので削除することにしても、さきほど必須とされて入れた追加のパッケージは、手動で削除しなければシステムに残り、ハードドライブの領域を消費してしまいます。
明らかに、これらの単純労働はすべてつまらない雑用なので、ほとんどのパッケージ管理システムには、これらの一部またはすべてを処理してくれるソフトウェアが付属しています。apt
はこういったプログラムをビルドするための共通のベースで、aptitude の他に、synaptic や
apt-watch などのプログラムが apt
を利用しています。
apt
は、Debian
からコンピュータ上にダウンロードできるパッケージの一覧を保持するという方法で機能します。この一覧は、更新する必要のあるパッケージを検索したり、新しいパッケージをインストールしたりするのに使用されます。apt
はまた、多数の依存関係の問題を自動的に解決できます。例えば、あるパッケージをインストール対象として選択すると、apt
は、それに必須とされるあらゆる追加パッケージを見つけて同様にインストールします。
aptitude などの、apt
ベースのパッケージマネージャを使って作業するときには、通常は 3
つの基本作業を行うことになります。すなわち、まず Debian
のサーバから利用可能なパッケージの一覧を新たにダウンロードして、一覧を更新します。そしてインストール・更新・削除すべきパッケージを選択します。最後に、実際にそのインストールや削除などを行い、その選択をコミットします。
apt
ベースのパッケージマネージャは、「入手先」 (Debian パッケージのリポジトリ) の一覧をファイル
/etc/apt/sources.list
から読み込みます。このファイルの書式や内容はこのドキュメントでは割愛しますが、マニュアルページ
sources.list(5)
に説明があります。